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輸入グッピーを飼おう!

7.輸入グッピーの病気

粗塩以外はまず使わない国産グッピーと違い、輸入グッピーと薬は切っても切れない仲です。
さかなに専門医はいません。様子がおかしいからと連れて行く病院もありません。
またグッピーの一般的な病気である「尾腐れ病」などのカラムナリス菌による病気は、進行が大変早いのが特徴です。自分のグッピーは自分で守らなければなりません。

それには日々の観察が一番大切です。毎日観察し、少しでもおかしなところがあれば、それが病気なのか違う要因なのか(産仔前でじっとしている、水質が悪化している等)見極め、迅速に対応しましょう。


日本動物薬品のWebに「観賞魚の診療所」というシンプルで効果的な、症例による病気と対策の逆引きコーナーがあります。


まず症状を観察し、ここに出ている症例に該当するか調べてみて下さい。該当していれば対応する魚病薬を購入しましょう。
粗塩で直るのは、初期段階だけです。一旦病気になれば、専門の魚病薬が必要です。

と言っても、早期発見が可能なら、大抵の病気は粗塩、メチレンブルー水溶液、グリーンFゴールド、グリーンFゴールドリキッドで直ります。でも絶対に直らない病気があるのです。

ここではグッピーに特化した症例と対策について述べます。一般的な対処方法は日動のWebを参照して下さい。




・白点病

よく熱帯魚の風邪などに例えられる、白点虫(繊毛虫の一種)の寄生です。激しい水温差や水質の急激な悪化で、グッピーが体調を崩した時に発生しやすいです。
水温と色素系殺菌剤で簡単に直る病気とされていますし、実際、清潔でろ過細菌や通性嫌気性菌、微生物が繁殖した飼育水では、少量の塩だけで完治します。それどころか、知らないうちに直っていたりします。

飼育水が未発達であったり汚れていると、早い速度で進行しますので、水槽立上げ段階やリセットした直後など、かなり手強い敵になります。早期発見治療が一番です。

グッピーは水温の変化、水質の変化にある程度適応しますので、白点病にはかかりにくいです。
ただ一旦かかってしまいエラ部分に集中しますと、急速に体力を無くし1週間程度で全滅します。実際にはかなり怖い病気です。決してあなどらないで下さい。粘膜を破りますので、フレキシバクター・カラムナリスなど細菌による二次感染の恐れもあります。

メチレンブルー水溶液等の色素系殺菌剤で根絶出来るのは、底にいる、グッピーに取り付いていない白点虫です。
白点虫は栄養を吸収すると、繁殖のため粘膜から離脱します。ですから、水温を28℃程度に設定し活動を早めてやりながら、離脱したところを退治します。これが一般的な治療方法です。

28℃以上の水温では白点虫が弱り活動出来なくなります。
人間が風邪をひくと高熱を発しますが、それ自体、体内のウィルスを熱退治しようという自浄作用でもあります。
魚は体温調節が出来ません。従って人為的に水温を変えてやるしかありません。

白点は目に見えますから、直接取れそうなものです。試してみましたが、グッピーは小さいですし、実際は粘膜に食い込んでいるため、綿棒で取り除こうとしても効果的ではありませんでした。

古くからの治療法として、鷹の爪(唐辛子)を使う方法があり、わたし自身も未だ、最初に購入した鷹の爪の残りを持っています。初期症状であれば効果はあります。唐辛子にも殺菌効果がありますので。
分量としては、水10リットルに1本とか言われていますが、どーいう見当なのかわからない。もっと多くても構いません。輪切りに二等分し、重りをつけて沈めます。ネットに入れるなど工夫してください。バクテリアへの影響は当然ありますが気にしなくてもいいです。水草への影響はありませんし、スーパーで普通に売っているので入手は容易です。すぐ腐りますので管理は小まめに。毎日か1日おきに交換して下さい。触った後は石鹸で手洗いしましょう。でないとひどい目にあいますよ。



・尾腐れ病

輸入グッピーにおいて、最もポピュラーな病気です。
尾ひれの傷にとりついたカラムナリス菌が繁殖し、白く濁ったようになり、溶けて血が滲んだように赤くなります。
口に出来た傷に取りつけば「口腐れ病」、エラに取りつけば「エラ病」と呼ばれますが、全てフレキシバクター・カラムナリス菌の仕業です。

非常に進行が早く、特にエラに取りついた場合、外見から分かりませんので、グッピーエイズのようにも思えます。
輸入グッピーの販売水槽で頭を振ってヘビのように泳いでいる個体は、ほぼカラムナリス感染魚と考えて良いでしょう。

対処方法としては、メチレンブルー水溶液+グリーンFゴールドリキッドなどのオキソリン酸を規定量、またはグリーンFゴールドを規定量と加えて0.2%程度(水1リットルに対し粗塩2g)の粗塩を投入します。水草は枯れてしまうかもしれませんので、抜いておくか諦めて下さい。

尾腐れの場合、最悪、ハサミで尾ひれの患部を切ってしまえば、とりあえずの進行は防げると思いますが、試したことはありません。

どちらにしても、一旦蔓延すると手に負えなくなる病気の代表ですので、水槽内へ持ち込まないよう、充分な検疫期間が必要です。



・水綿病

水カビ病。水カビ菌による傷口への寄生です。
表皮への寄生ですので、水槽からグッピーを取り出し、濡れたタオルの上に押さえつけて、綿棒などで直接取り除いてから、色素系殺菌剤で消毒する方法が一番早いです。あらかじめ綿棒の片側にメチレンブルー水溶液などを染み込ませておくと良いでしょう。
背びれに水綿が生えた場合、まるで背びれが無くなってしまったように見えますが、大丈夫。ちゃんとありますから。

この病気はエロモナス感染症、カラムナリス感染症の二次感染として発病する場合がほとんどで、進行すると綿棒や指では取れなくなります。
穴あき病+水綿病に感染したコリドラスを2か月かかって完治させたことがありますが、結構壮絶でした。



・穴あき病

エロモナス・サルモニシダにより、患部に血が滲んだようになり、ウロコが剥がれて筋肉が露出し、穴が開いたようになる病気です。高い確率で水綿病を併発します。エロモナス菌の仲間は全般に感染速度が遅く、他の個体へ移る可能性は低いと思います。
水質が極度に悪化したケースで発病しやすい。輸入グッピーの中には購入時から感染している個体もおりますので、選び方に注意しましょう。
決して直らない病気ではありませんが、購入直後のグッピーは体調不良で体力もありませんので、そのままサヨウナラするケースが多々あります。

対処方法としては、尾腐れ病と同じく、メチレンブルー水溶液+グリーンFゴールドリキッドなどのオキソリン酸を規定量、加えて0.2%程度の粗塩投入です。

この場合、他魚への感染は薄く、早期発見すれば、水槽内部に病原菌が蔓延することもありませんので、隔離しての治療が望ましいです。
蔓延することが無い、というより、エロモナス一族は、水槽内のどこにでも普通にいる菌です。



・松かさ病

ウロコが逆立ち、松ぼっくりのようになります。こちらはエロモナス・ハイドロフィラによる代表的なエロモナス感染症です。
水質が悪化した時、発病しやすい病気です。ウロコの裏側へ水がたまるような感じで逆立つようです。普通は続いて腹水病を併発しますので、どちらが主原因か分かりませんが、見つけた時は、ほぼ絶望。松ぼっくりになったグッピーを助けられた経験はありません。他魚への感染度は低いです。

松かさ病の他、グッピーでは経験ありませんがポップアイ(目玉が飛び出す病気)もエロモナス・ハイドロフィラ感染症といわれています。わたしはどちらも見ただけで直る気がしませんし、直せたこともありません。日動のwebには直ると書いてあるので直るのでしょう。



・腹水病

お腹がどんどん膨れていく病気です。これだ、という原因を知りません。こうすれば感染しないという対策も分かりません。
そして今まで腹水病になったグッピーは100%お亡くなりになりました。また、腹水病にかかったグッピーは全てメスでした。
末期段階では、排泄穴が破裂したような状態になっています。原因も対処法も分からないですが、感染する病気ではなさそうです。



・ハリ病

グッピーの稚魚がかかる病気。尾ひれがハリのように尖ります。
単に体調を崩して尾ひれを閉じている場合と、カラムナリス感染症の両方がありますが、初心者には区別が困難なので結構やっかいです。
稚魚は汚い産卵箱の中ではなく、専用の水槽かプラケースで育てたいものです。稚魚を産卵箱で育て続けていると、必ずいつか調子を崩します。産卵箱で水の入れ替えが行われないにくいための酸素欠乏、アンモニア中毒などさまざまな要因がありますが、産卵箱内の汚れによる体調不良が直接の原因でしょう。

尾腐れなどカラムナリス菌が繁殖した経歴のある水槽でハリった場合、まずそちらを疑いましょう。対処方法はカラムナリスに準じます。

とりあえず産卵箱から出して、飼育水1/3と温度合せした新しい水2/3でプラケースに隔離して下さい。0.2%程度の粗塩(水1リットルに対し粗塩2g)とメチレンブルー水溶液を色がつく程度に入れます。翌日になっても尾が開かない場合、更に0.2%の粗塩を追加します。それでも全く尾が開かない時はカラムナリス感染症です。



・テトラヒメナ

体表が白くなる、繊毛虫の一種、テトラヒメナによる寄生です。
国産グッピーでの症例は知りません。輸入グッピーでも発病した個体を見たことはありませんが、これをもって「グッピー病」と称している人もいらっしゃいますので、一応加えておきます。色素系殺菌剤で直るような気もしますが、経験が無いので分かりません。



・グッピー病

1993年より、シンガポールで蔓延した病気。原因はよく分かっていないし、症例さえハッキリしていないように思います。
なんの脈絡も外傷も無く、病気にも思えぬまま購入2,3日で輸入グッピーが全て死んだ。尾腐れなど表面的な発病はカラムナリスと同様であるが、購入に注意して選び抜いた個体たちが発病から2,3日で全滅した、などの場合、この病気と考えて良いのか、と思っています。

日動の実験では、1ミクロンのろ材を通り抜けて感染したそうですから、正体は細菌(バクテリア)よりずっと小さいもの。ウィルス、またはリケッチアということになり、細菌性の病気や寄生虫とは明らかに違います。その謎は発見後10年経過しても解明されていません。

症例的にみますと、後天性免疫不全症候群、いわゆるエイズのごとく、グッピーから病気に対する免疫を消失させてしまう病気のように思えます。
タチが悪いことに、感染しても自分自身は発病しない、いわゆるキャリア個体が存在しており、他のグッピーを追加すると、追加した個体群が全て死んでしまうなどの症例も多々見受けられます。

原因も対策も分からないので、手の施しようが無く、そもそもグッピー病なのかどうかすら分からないのが現状です。
輸入グッピーはいろいろな病気にある程度耐性があるようで、輸入グッピー水槽へ国産グッピーを入れたとたん、国産のみが発病することは決して稀ではありません。というより、高い確率で発病します。その中で生き残ったのは良いがキャリアと化した個体がおり、国産グッピーの中にもグッピー病は蔓延しているとも聞きます。
実際、国産グッピーの水槽内へ他所で購入した同じ品種のグッピーを追加したとたん、全てが発病し、瞬く間に全滅した経験がありますので、否定出来ません。というより、グッピー病は存在し、国産と呼ばれる系統の中にも存在するのだと思っています。

ではそれはなんだ?水では無く、個体から病原菌が発せられているのか、と聞かれても、それは糞から出たものであるかもしれないし粘膜かもしれないし、見当がつかないので更に混乱してしまいます。ただ個体が保菌するケースはアユの冷水病などいくらでもありますよね。



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